デッドストック工務店では、建材として「ゴミ」を使う。
あえてちょっとワルぶって「ゴミ」とは表現しているが、ただのゴミが欲しいわけではない。
一番の欲しいのは、もう自分たちでは使わないけど、思い入れがあるから捨て難く、誰かに使ってもらいたという物語を持つ物だ。
そういう意味では、今回の舞台となった船場広場は、まさにそんな物語を持つ場所。
この場所は、地域のデパートや商店街に囲まれ、まっすぐ歩いてくと小倉城と北九州の行政の中心部がある、まさに小倉の一等地と言える場所。そこは「旧小倉ホテル」があり、格式のあるホテルとして結婚式や様々な集まりに使われ、多く市民の記憶に残る場所だった。2001年に廃業し、その後マンションなどの計画がでていたが、実現化せず、建物が残ったまま18年の歳月が経っていた。
しかし、「ここをそのままにしているのはもったいないのではないか?」と地域の声が大きくなり、民間企業の所有地であるにも関わらず市が所有会社と協議を重ね、建物を解体することなる。
さあ、この場所をどう活用するのか?
市と小倉のまちづくりを牽引してきた九州家守舎の出した結論は、「広場」をつくること。
まちは大きくなると、居場所がない。
カフェやお店に入ればいいのだが、ちょっと休みたい、ちょっと人と待ち合わせをしたい、そんな時に「居ていい場所」が少ないのだ。
そして広場に立ち入りたくなり、日陰をつくるものとして、ジオディックドームが置かれることが考えられた。
そこが人々にとってまた1つ楽しい場所になってもらいたい。そんな場所をつくるなら、楽しんでつくってくれる人に任せたい。そうしてデッドストック工務店が呼ばれドームの制作を行った。
今後船場広場は、多くの意見やプレッシャーを抱えつつも、また新しい市民の憩いの場になるだろう。
そして何より我々にとっても、小倉に「居ていい場所」となった。
呼んでくださった、北九州家守舎の 遠矢 弘毅 さん、ありがとうございました!
7月20日(土)・21日(日)からオープニングイベントが開催されます。
住所は北九州市小倉北区船場町3-10です。
ぜひ、遊びに行ってください!
一緒につくってくれた仲間たち
東郷 哲史 Kota Omori 徳永 美千代 徳永ひろき
北九州市
金岡健
そして関わってくださった北九州の方々
さらに小倉のディープな夜をありがとうございます!
田村 晟一朗
photo&text : 鈴木裕矢